君が好きだったカノン
眠れない真夜中 聴いている
窓の外は大雨で
部屋の中の煮え切らない憂鬱は
深い深いチェロの音色に乗じ
ヴァイオリンの希望満ちた旋律にて
次第に洗い流されていくよう
深呼吸して眼を瞑れば
僕はまたいけるかい?
でもどこへいくんだろう
半音ズレたピアノみたい
やることなすこと空回りで
深呼吸して眼を瞑れば
僕はまたみえるかい?
でも何がみたいんだろう
夢とか愛とか もういいよ
絶望も哀しみも もういいよ
一杯一杯で
そんなら取り敢えず
一杯やろうか
ただ何も考えず眠れば
僕はまたちゃんと目醒めるかい?
ただ何も考えず眠れば
僕はまたちゃんと動けるかい?
君が好きだったカノン
今夜 胸によく響く
紅い熱は
未だ冷めぬまま