マイコ


 

真実を巧妙に奴はまたしても
迷宮入りさせようとしてるのか

 

死人に口無し 語りべに誠なし

 


眼が軋む 耳ががなる
秒針はぐるぐる廻る
もう当てにはならない

 

 

統一された交互の
或いは
並べられた凹凸の
閉鎖的空間に置かれたベンチで

 

君はあきらめ切った顔で鼻で笑ってる
僕はきっと冷めきった眼で
これからをどうするかを考えてる

 

 

頭上には裸電球
今にも消えそうでチカチカチカチカ

 

君の手にしてる
懐中時計の秒針はカチコチカチコチ

 

僕の腹時計の秒針はぐるぐるぐるぐる

 

 

あーあ、完璧迷子だ

 

 

 

 

迷子

 

 

 

あ。君の名だったね